南国・園瀬藩の危機に立ち向かった若様の、
八面六臂(はちめんろっぴ)の活躍!
「遊び奉行」とは、禄高(ろくだか)の割に月に一日の勤めでよいことから裁許(さいきょ)奉行に付けられた別称である。藩主の長男ながら側室の子ゆえに、家老家に婿(むこ)入りした九頭目一亀(くずめいっき)は、武士には禁じられている園瀬(そのせ)の盆踊りを踊った罪で、その暇(ひま)な奉行に降格させられた。愚兄と誹(そし)られた振る舞いだったが、その陰には乱れた藩政を糺(ただ)すための遠大な策略が! 清冽(せいれつ)で痛快な傑作時代小説。