元同心・腕利き爺(じじい)の事件帖
68歳になったって、悪い奴らは許さねえ。
体も動かねえ、口も悪い!
だが、熱い気持ちは錆(さ)びついてない!
多忙を極める南町奉行所は、増え続ける未解決事件に対処するため、元定町廻りの二ツ森伝次郎(ふたつもりでんじろう)に再出仕を要請した。御年(おんとし)68歳のこの男、隠居暮らしは御免(ごめん)と市中の揉め事に首を突っ込む毎日だ。伝次郎は早速、一癖(ひとくせ)も二癖(ふたくせ)もある往年の腕利き連中を集める。そして、ついた仇名(あだな)が“戻り舟”だった。そんな折、9年前、商家の娘殺しを疑われた男の探索を依頼され……。