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完本 密命 巻之十 遺恨 影ノ剣 / 10
カンポンミツメイマキノジュウイコンカゲノケン / 10
著者名 佐伯泰英
在庫なし

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ISBNコード 9784396341848
判型/頁 文庫判/448頁
価格 814円(税込)
発売日 2016/02/09

惣三郎は呆然と立ち尽くした。清之助(せいのすけ)は泣き伏した。
巨星、墜(お)つ――
偉大な師の最期(さいご)

《清之助、信念に基づきし処へと向かえ。自らが考えし大道(たいどう)を進まれよ。剣の修行はまた人生の修行ならん。悩み、迷い、苦しみ、時に笑え、時に大いに楽しめ。若きうちの失敗、挫折(ざせつ)こそが人の糧(かて)也、財産也。父もまた五十路(いそじ)を前に剣の道を究(きわ)めんとす。だが、その頂(いただき)は朦朧(もうろう)として未だ見えず》(中略)
清之助は父からの手紙を何度も読み返した。
(本文より)

鹿島(かしま)道場の米津寛兵衛(よねつかんべえ)が、影ノ流を名乗る謎の剣客鷲村次郎太兵衛(わしむらじろうたひょうえ)と立ち合い、非業(ひごう)の死を遂(と)げた――。悲しみに暮れる間もなく、金杉惣三郎(かなすぎそうざぶろう)やその家族、そして大岡忠相(おおおかただすけ)に、姿なき敵から白刃が向けられる。その頃、四国八十八箇所の霊場を巡る清之助(せいのすけ)の許(もと)にも、師匠の訃報(ふほう)を知らせる書状が届いた。寛兵衛一番の愛弟子(まなでし)は、偉大な先達(せんだつ)の遺徳(いとく)を偲(しの)び、険(けわ)しい遍路道(へんろみち)を行く。