忘れられない、あの子の柔(やわ)らかな唇(くちびる)、
滴(したた)る汗、甘い喘(あえ)ぎ――
ふいに甦(よみがえ)った熱烈な恋。
あの日の彼女が、今の僕を翻弄(ほんろう)する……
「ねぇ、エッチしようよ」――学生時代、事あるごとに甘い声でねだってきた、元彼女(モトカノ)、早月(さつき)。社会人3年目の今、克彦(かつひこ)は奔放(ほんぽう)だった早月とは正反対の、清楚(せいそ)で家庭的な梨子(りこ)と同棲(どうせい)を始め、仕事も正念場を迎えていた。しかし今になって、あの日夢中で抱き締めた早月の肢体(したい)が生々しく甦る。裏切られ、さんざんな形で別れたはずなのに……過去と現在が狂おしく交差する青春官能の傑作。
『あなたが私をさがすとき』改題作品