剣も技も規格外!
性格も“はみだし”気味!?
枠にはまらぬ
曲者(くせもの)三人衆、見参!
私腹を肥やす外様藩の重鎮に鉄槌を!
棒手裏剣(ぼうしゅりけん)だった。……おゆらだ! 向井泉十郎(むかいせんじゅうろう)は肩先で突き飛ばし、斬りつけた。一瞬の太刀(たち)捌(さば)きである。続いて植女京之助(うえめきょうのすけ)も動いた。神速の抜き打ちだ――。曲者三人は“はみだし御庭番(おにわばん)”。彼らが命じられたのは、陸奥(むつ)国石崎(いしざき)藩の財政改革派への助勢だった。不正の証拠を運ぶ奥州(おうしゅう)路で迫り来る反対派の刺客(しかく)と、悪足掻(わるあが)きを見せる藩の重鎮を、どう糺(ただ)すのか。白熱の隠密行。