“守破離”三部作、始動!
殺しの直後に、師範代の姿。
見間違いだと、信じたいが…。
核心に迫るほど、濃くなる殺しの疑い。
門弟・高岡弥之助と剣一郎が知った真相とは!?
鮮(あざ)やかな斬り口だった。矢先稲荷(やさきいなり)脇で発見された死体を検死した青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)は剣客(けんかく)による犯行と判断。三月(みつき)前の刃傷(にんじょう)事件と絡め、連続殺人を疑い探索を始める。浮上したのは同じ頃に一刀流仁村(にむら)道場の師範代を辞め、姿を晦(くら)ました神村左近(かみむらさこん)という男だった。一方、その道場の門弟高岡弥之助(たかおかやのすけ)は事件当日、現場付近で左近を目撃、独自に追っていたが、第三の死体が発見され……。