こんな夫婦になれたらいいなあ
倖せの感じ方は十人十色。夫婦の有り様も様々……。
心に染み入る珠玉の人情時代小説。
「離縁、離縁って簡単に言うない。世間様はそうそう離縁なんてするものか」「おあいにく。あたしは一度離縁された女で、うちの人は三度も離縁しているのさ。離縁の玄人(くろうと)だよ」(「夫婦(めおと)茶碗」)。夫婦喧嘩(げんか)の仲裁(ちゅうさい)に、日々、大忙し。日本橋堀留町(にほんばしほりどめちょう)の会所の管理人、又兵衛(またべえ)とおいせは近所の家族の幸せを願い……。懸命に生きる男と女の縁(えにし)を描く、心に沁(し)み入る珠玉の人情時代小説。