情が心に、沁(し)みわたる
困った人に手を差し伸べる、
頼れる素浪人・矢吹平八郎、情けの剣!
破落戸(ごろつき)に殴られていた老人弥平(やへい)を助けた素浪人矢吹平八郎(やぶきへいはちろう)。その弥平が後から平八郎を尾(つ)けてきた。不審に思った平八郎が理由を尋(たず)ねると、盗人(ぬすっと)の自分を手伝ってほしいと言う! よくよく聞くと押し込み先を皆殺しにする同業の悪党“不動の政五郎(まさごろう)”一味をお縄にかけたいらしいのだが、ただの義侠心(ぎきょうしん)からでもなく……。老盗人と素浪人の心意気が胸に沁(し)みる、人情時代小説。