「風の市兵衛」の著者が贈る痛快時代小説!
成りかわりの仏に隠された、
ささやかな幸せとは?
北町奉行所平同心の、真実を斬る非情の豪剣!
佃島(つくだじま)の海に男の骸(むくろ)があがった。役人が正視できないほどの撲殺(ぼくさつ)であった。仏は石川島(いしかわじま)の人足寄場(にんそくよせば)を出たばかりの無宿人(むしゅくにん)と見られたが、成り変わりと判明。探索の結果、3年前に起きた未解決の妙な押しこみ事件が浮上し、ひとりの風鈴を愛する妾(めかけ)の関わりが疑われる――やがて、すべての真実がひもとかれたとき、北町奉行所平(ひら)同心・日暮龍平(ひぐれりゅうへい)の豪剣がうなりをあげた!