2054年、EU離脱後の英国は
超管理社会へと変貌していた…
わたしに秘密を話さないで!
ほんとうの“自分”はだれなのか――
〈記憶〉を政府に消された理由とは?
「お前の約束は聞き飽きた」夢の中、男はレンガで私の指を潰(つぶ)していった――2054年、英国。スレーテッド(記憶消去矯正措置)を施(ほどこ)された16歳の少女カイラは、デイビス夫妻の元で新たな生活を始める。しかし、繰り返し見る悪夢が、消されたはずの記憶を呼び覚ましてゆく。“私”は誰なのか? なぜスレーテッドされたのか……。治安当局と周囲の監視をかい潜(くぐ)り、同じスレーテッドの少年ベンと真相を探るうち、カイラは暗躍する反政府組織の存在を知る……。過剰に管理された近未来の英国を舞台に、少女の戦いと成長を描く、瞠目(どうもく)のディストピア小説!