美しい娘ばかりが次々と消えた…
「奉行が動けぬなら、わしらが走る」
娘たちを救うため、「相州屋」忠吾郎が立ち上がる!
文政(ぶんせい)二年の晩夏。江戸では美しい娘が相次いで拐(かどわ)かされていた。人宿「相州(そうしゅう)屋」の忠吾郎(ちゅうごろう)は、北町奉行の兄・榊原忠之(さかきばらただゆき)に探索を命じられる。権勢(けんせい)を揮(ふる)う御用取次の中野清茂(なかのきよしげ)と怪僧・日啓(にっけい)との関わりが疑われ、奉行所は手を出せないというのだ。同じ頃、巷(ちまた)で“天女を呼び寄せる巫女(みこ)”が大評判に。そこに意外な繋(つな)がりが……。炙(あぶ)り出された真の黒幕に、人宿の面々が立ち向かう!