何があっても揺るがない覚悟を決めた。
預かった娘の愛らしさに心の奥を気づかされた
栄三郎が選んだのは――涙やまない長編時代小説。
秋月栄三郎(あきづきえいざぶろう)に隠し子の噂(うわさ)が広まった。旧知の女の訃報(ふほう)を聞き墓参した折、忘れ形見の十(とお)になる娘おえいを預かることになったからだ。先日まで親友父娘(おやこ)の江戸見物をもてなし、二人の絶えない笑顔に心を震わせていた栄三。父のように自分を慕うおえいに、実の娘であってくれたらと思うように。ところが、おえいの語った真実に栄三は動揺し……涙止まらぬ長編時代小説!