因縁の迷宮入り事件、蘇(よみがえ)る悔しさ。
皆殺し事件を解決できぬまま引退した伝次郎が、
11年の時を経て、再び押し込み犯を追う!
万能薬で財を成した薬種問屋《讃岐屋(さぬきや)》の皆殺しが永尋(ながたず)ねになり11年が経(た)った。ある日、戻り舟の二ツ森伝次郎(ふたつもりでんじろう)は窩主買(けいずがい)から押収した盗品の中に、偶然、讃岐屋の根付を発見、悔恨(かいこん)の情を蘇(よみがえ)らせる。引退直前まで追ったが捕縛(ほばく)できなかったのだ。ついに解決の糸口を掴(つか)んだかに思えたその矢先、根付を持ち込んだ盗人が惨殺(ざんさつ)された!? 伝次郎は、あの日の雪辱(せつじょく)を果たせるのか。