容赦(ようしゃ)なき復讐(ふくしゅう)
15年前にすべてを失った男が帰ってきた。
無慈悲な殺人鬼に、剣一郎が立ち向かう。
口入屋『宝生屋(ほうしょうや)』番頭の久次郎(きゅうじろう)と町火消し吾平(ごへい)の惨殺体(ざんさつたい)が立て続けに見つかった。風烈廻り与力・青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)は手口の残忍さから同一犯と断定。宝生屋主(あるじ)の与五郎(よごろう)が二人と博打(ばくち)仲間だったと知り遺恨(いこん)を疑うも、与五郎は身に覚えがないと言う。だが与五郎も謎(なぞ)の刺客(しかく)に襲われ、15年前の悲惨な事件が浮上する……。哀しみの果てに己(おのれ)を捨てた復讐鬼を、剣一郎はどう裁く。