戦慄と驚愕のミステリー!
死とともに忍び寄る謎の男・玉緒とは、何者なのか!?
理子は尋ねた。「……あなたは、何なの?」
舌に生えた、黒い牙。エナメルのような黒い尖った爪。
この男が人間であるはずがない。玉緒はかすかに笑った。
「神様があんまり理不尽だから見ていられなくなって、
可哀そうな人間たちに機会を与えてやりたくなった、そういう男だよ」
――そのとき、世界は一変する。
「そのまま死んでもいいのか」結婚を考えた男に振られ茫然(ぼうぜん)と駅のホームに立ち尽くす理子(りこ)の前に、謎の男・玉緒(たまお)が現れた。彼は人の死期が視(み)え、他人の肉体を奪い生き延びる術(すべ)があると続けた。半信半疑の理子だったが、彼氏の顔が頭を過(よぎ)ると歪(ゆが)んだ気持ちが胸中を覆い始め……(「恋の最果て」)天使か悪魔か――玉緒に魅入(みい)られた者のみが知る驚愕(きょうがく)の真実とは。戦慄(せんりつ)のダークミステリー。