祝10周年!
ますます人気沸騰の素浪人稼業シリーズ第15弾
渡り鳥は誰の許(もと)へ!?
矢吹平八郎、健気な娘のため、
父親捜しに奔走!
秋から春の間、近在より江戸に出稼(でかせ)ぎにくるものを“椋鳥(むくどり)”と呼ぶ。そんな出稼ぎ人足喜助(きすけ)の娘ふみが口入屋『萬屋(よろずや)』を訪ねてきた。父親が郷里の常陸(ひたち)に帰ってこないのだという。素浪人矢吹平八郎(やぶきへいはちろう)は、健気(けなげ)なふみに胸を打たれ、父親捜しを引き受ける。道中を尋ね歩くと、馬に頭を蹴(け)られ傷(きず)を負った男の噂(うわさ)を聞く。やっと見つけた喜助は記憶を失い、別の所帯を持っていた――(「冬椋鳥」)