「3件の殺しは、みんなどっかでつながってる」
老同心は確信した。
人が鬼と化す
江戸怪奇譚、
ますます深まる謎!
そして一亮らは、飢饉(ききん)
真っ只中の奥州(おうしゅう)にあるという
“涅槃(ねはん)の村”へ――
僧侶天蓋(てんがい)に引き取られた少年一亮(いちすけ)には特殊な能力があった。人が鬼と化す兆候(ちょうこう)を察知できるのだ。一亮の感覚に導かれて訪れた麻布桜田町(あざぶさくらだちょう)で、天蓋率(ひき)いる「討魔衆(とうましゅう)」の小組は新たな鬼と闘う。同じ頃、南町の臨時廻り同心小磯(こいそ)も現場に急行していた。敏腕(びんわん)同心に存在を気取(けど)られかけた天蓋らは姿をくらまし奥州(おうしゅう)へ。北の大地では、飢饉に喘(あえ)ぐ民が「涅槃の村」に縋(すが)っていた……。