戦禍をもたらす信長に、一矢(いっし)を報(むく)いよ!
戦乱ですべてを失った少女・鶴。
彼女が挑んだのは戦国の覇王を謀(たばか)ることだった!
天正(てんしょう)4年、織田信長(おだのぶなが)は城を築(きず)くために安土(あづち)の地に入った。上杉謙信(うえすぎけんしん)に備え、石山本願寺(いしやまほんがんじ)への攻撃拠点とし、さらには京に上る足掛かりに、この地を選んだのだ。そしてもう一人この地に立った者がいた。戦(いくさ)によって両親を殺され、“騙(だま)し人(びと)”と呼ばれる詐欺(さぎ)師になった娘・鶴(つる)である。鶴は欲望渦巻く乱世の中で騙しの腕を磨き、戦の元凶(げんきょう)、信長に壮大な罠(わな)を仕掛けるが……。