苛酷(かこく)な年貢取立ての中、奇妙な高札が立ち……
幕閣内で評判の領主が課した非情な税金とは!
喘(あえ)ぎ苦しむ農民の話に、「影走り」が立ち上がる!
侍に斬り付けられた江戸近在鎌田(かまだ)村の村役を救ったのは、人宿(ひとやど)「相州屋(そうしゅうや)」の寄子(よりこ)、羅宇屋(らうや)の仁左(じんざ)だった。その少し前、相州屋の主忠吾郎(ちゅうごろう)は「狐(きつね)の徘徊(はいかい)を赦(ゆる)さない」という妙な高札(こうさつ)が鎌田村にあると聞く。やがて、村で年貢(ねんぐ)を搾(しぼ)り取り、逃散(ちょうさん)する村民を斬り捨てる、残虐(ざんぎゃく)で過酷な暴政が明らかに……。怒りを秘め忠吾郎ら“影走り”が立ち上がる。奉行が裁けぬ悪を討つ、第6弾。