殺された女中の霊の仕業か――
旅籠に入った者に
次々と訪れる死
剣一郎、怨霊と対峙す!
商いをやめ誰もいない旅籠(はたご)に、娘が入り、忽然(こつぜん)と姿を消した――。3年前、旅籠成田屋(なりたや)では若旦那(わかだんな)が女中を殺し逐電(ちくでん)。娘は女中の霊なのか? 成田屋に娘を案内した大工が、普請場(ふしんば)の屋根から転落。行脚僧(あんぎゃそう)、易者(えきしゃ)、関わった者はみな不審な死を遂(と)げる。風烈廻り与力青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)も怨霊(おんりょう)騒ぎの探索へ。しかし成田屋で遭(あ)った人足(にんそく)が溺死(できし)し……。剣一郎は怪異(かいい)を解き明かせるか?