斬らねばならぬか――
人の恨みを晴らす、
義の殺人剣・黒太刀。
臨時廻り同心・鷲津軍兵衛に迫り来る!
袋物問屋伊勢屋(いせや)の主が斬殺された。北町奉行所臨時(りんじ)廻り同心(どうしん)鷲津軍兵衛(わしづぐんべえ)は圧倒的な斬り口から、数年毎(ごと)に殺しを繰り返す「黒太刀(くろだち)」と呼ばれる男の手口と断ずる。殺しを請け負う一味の存在を確信した軍兵衛は、亡くなった伊勢屋の身辺(しんぺん)を探り、ある火消人足(ひけしにんそく)の存在を知る。しかし、唯一の手がかりの火消は殺され……。一味の意外な正体とは? 軍兵衛は黒太刀を倒せるか?