この金獅子（きんじし）が許さねぇ！
上様より拝領の宝刀で悪を斬る。

一刀流の達人にして、町人に身をやつす、
南町奉行の痛快お裁き帖

池田筑後守長惠（いけだちくごのかみながよし）――。若い頃は地回（じまわ）りから「鬼（おに）」と恐れられ、町人に扮（ふん）すれば町では「金（きん）さま」と呼ばれる気さくな“南町奉行（みなみまちぶぎょう）”だ。新任の挨拶（あいさつ）の折、暗い顔の同心（どうしん）成瀬（なるせ）が気にかかる。非道な押込みを追い、大身（たいしん）旗本（はたもと）の次男を探ると、妻を何者かに殺されたのだ。長惠がお忍びで探索を行なうや、覆面の輩（やから）から襲撃される男女の姿が……。華麗な剣戟（けんげき）と痛快な裁き。池田筑後、見参！