お花(はな)、お市(いち)、お紋(もん)が見守るすぐそばで、
娘が不審な死を遂げた――。
着物の柄に秘められた伝言とは?
謎解きは冴(さ)え! 食べては美味満載!
文政(ぶんせい)五年、北紺屋町(きたこんやちょう)で料理屋《はないちもんめ》を切り盛りするのは、がみがみうるさいが憎めない大女将(おおおかみ)お紋、男たちを魅了する美人女将お市、口達者な見習い娘お花の三人だ。頻発(ひんぱつ)する神隠しに悩む八丁堀(はっちょうぼり)の旦那たちを、自慢の秋刀魚(さんま)料理で励(はげ)ます。その晩秋、三人は日本橋(にほんばし)の祭りを手伝うことに。ところが祭りに参加した女が倒れ……。食中(あた)りか毒か。女三人が謎を解く!