落日の親藩・桑名(くわな)藩を
捨てるか、殉(じゅん)じるか――。
大政奉還から王政復古へ。
幕末の動乱に翻弄される兄と弟が目指す、
日の本の明日とは!
一枚の紙から折る繋(つな)がったままの千羽鶴〈連鶴(れんづる)〉。桑名藩に伝わるそれは家族の深い絆(きずな)を意味していた。大政奉還(たいせいほうかん)に始まる動乱期を、親藩桑名藩士として生き抜く速見丈太郎(はやみじょうたろう)は、商家の婿養子(むこようし)になり「藩を捨ててくれ」と言い残して失踪した弟栄之助(えいのすけ)を思い、連鶴を折る。信じる道は違えども、我らは兄と弟だと――幕末の激動が二人に見せた明日とは!? 感涙の歴史時代小説。