食らいついたら逃(のが)さない。
熟練の同心、実直な手下が、冷酷な殺し屋と
お縄知らずの凶賊を追い詰める!
臨時(りんじ)廻(まわ)り同心(どうしん)鷲津軍兵衛(わしづぐんべえ)は、勘当(かんどう)した倅(せがれ)政吉(まさきち)を捜す旅籠(はたご)の主(あるじ)吉兵衛(きちべえ)から、長年捕縛を免(まぬが)れる一家皆殺しの凶賊野火止(のびどめ)の弥三郎(やさぶろう)の手掛かりを得る。政吉と弥三郎一味の探索に乗り出すも、政吉は数年前に自死したことが判明、探索は暗礁(あんしょう)に。しかし数日後、政吉の死を語った茶屋女が絞殺される! そんな折、軍兵衛はかつての剣の兄弟子を見かけ、不吉な予感を覚えるが――。