いま読むべき歴史小説作家、規格外の面白さ
豊臣軍を、徳川軍を化(ば)かせ。天下一の奇策!
阿波の狸と称された蜂須賀家政(はちすかいえまさ)が御家存続のため関ヶ原に挑む!
文庫判特別書下ろし「雀は百まで」収録
豊臣秀吉(とよとみひでよし)の親衛隊黄母衣衆(きほろしゅう)の蜂須賀家政は、齢(よわい)二十八にして阿波国(あわのくに)十七万五千石を任(まか)された。なぜ父ではなく己(おのれ)に。父小六(ころく)は秀吉の腹心(ふくしん)であり、木曾(きそ)川の川並衆頭領(かわなみしゅうとうりょう)でもある名将だった。武家にはない川並衆の自由な発想で国を育てる家政。ところが関ヶ原(せきがはら)の合戦で御家(おいえ)存続の窮地(きゅうち)に──阿波の狸(たぬき)と称された若き大名が、東西両軍を化かす天下一の奇策を放つ痛快歴史小説!