「あっしの知ったことじゃねえ!」親分・子分なしの一匹狼は、謎の刺客に狙われながら惚れた女を追いかける、純な若造と道連れに?
飴色の三度笠、黒棒縞の合羽、腰には黒鞘の長脇差(ながどす)――。下仁田街道を往くのは裏稼業で名を売る無宿の渡世人、伊三郎(いさぶろう)。道中、何者かに追われる弥吉(やきち)という若者に出会い、付きまとわれる。売られた許婚に会う旅に同道してほしいと言う弥吉に、亡き弟の面影を見た伊三郎は暫しの間道連れに。しかし、弥吉にはもうひとつの目的があった! 秘密を知った伊三郎に刺客が迫る。