山本七平の代表的名著、待望の復刊
日本資本主義の本質とは!?
江戸時代の二人の思想家、鈴木正三(すずきしょうさん)、石田梅岩(いしだばいがん)を通して日本人の根元的労働観を探る!
日本人は、なぜ勤勉なのか
本書「序文」より
勤倹貯蓄、これは実に長い間の日本人の徳目であり、これを行なうことが美徳とされて来た。美徳とされて来たことはそれが一つの独立した価値、いわば宗教的ともいえる価値をもっているからであり、それが価値を持ちうることは、一つの思想の帰結だからである。
では一体その思想はどのように形成され、どのような影響を与え、どのようにして現在に結果しているのであろうか。それを探求しようと試みたのが本書である。
本書が、自己を律している伝統的規範を明らかにし、将来への予測の一助となり得れば幸いである。