映画を撮り続けた6年間で、私はどのようにして映画作りのバックステージに絶望するに到ったのか……
−−ケラリーノ・サンドロヴィッチ
FILM WORKS collection +『罪とか罰とか』全シナリオ
『罪とか罰とか』は「誰もが面白がれる映画ではない」、というのが私の首尾一貫した主張だ。そんな、公約数的な生ぬるいコメディを作った覚えはない。この映画を100%楽しめるのは、「ブラックコメディ」の「ブラック」の部分に同調できる人間だけだと思う。シナリオも「そういう人」に向けて書いたつもりだ。もちろん、他の部分を楽しんでいただいてもいっこうにかまわないけれど、握手したくなるのは「そういう人」となのである。(本文より)