清少納言は言いたい放題!
抱腹絶倒、ときにエッチ。そしてホロリ
なーーんだ、今も昔も、人間の世の中は何にも変わっていないんだ!
だから、清少納言は、こう言うのである。
暁(あかつき)に帰るのは男として当たり前かもしれない、けれども、だからといって、何の未練もなく、早々と起きてきちーんと身支度なんかして帰るのは、あまりに冷淡な感じがするじゃありませんか、と言うのだ。
やっぱり、なかなか起き難(がた)いという気持ちを見せて、いつまでもいっしょに寝床にぐずぐずしてて、いよいよぎりぎりの時間になったら、もうだらしない格好でいいから、身じまいもそこそこに、未練たっぷりに帰っていってほしい、それが女の正直な願いなのであろう。【第63段】
<『枕草子』には生きた人間がありありと描かれているなぁ>
『枕草子』は、決してわかりにくい難しい「文学」ではなくて、むしろ抱腹絶倒の笑い話だったり、そりゃいくらなんでも言い過ぎではないかと思うくらいの言いたい放題であったり、ときにはエッチでびっくりもさせられるし、そうかと思うとしんみりホロリともさせてくれる。そこを、私はせいぜい言葉をつくしてわかりやすく面白く読者諸君に伝えたいと思うのである。