土建の現場を知り尽くしたアウトロー・宮崎が世に問う!
日本が日本であるために必要な「法を超えたもの」とは。
「談合は悪」――なのか?
この国に流れつづける「話し合いの文化」
談合とは、徳川時代まであったムラの自治に根ざしたもので、自治を運営する自分たちの掟をつくり、それにもとづいて自己統治していくうえでおこなわれた構成員全員による話し合いのことであった。
近代になってからムラの自治は奪われ、国家行政に組み込まれたが、社会の基層には談合文化が残った。日本は建前上「法治国家」になったが、社会のトラブルが司法の場に持ち込まれて、それを一つ一つ解決していくことを通じて法が具体的に形成されていく、というヨーロッパ近代では成立した過程が日本近代では成立しなかった。問題が発生した具体的な現場で、公式のルートには乗らない非公式な話し合いで解決されてきたのである。(本文より)
談合の歴史を見ることで、この国の姿が見えてくる(本書の主な内容)
■「一般競争入札」は土建屋に何をもたらしたか
■土木王国=田中角栄政治を崩壊させた小泉改革
■なぜ「談合坂」という地名があるのか
■明治政府の殖産興業が「土木建設請負業」を生んだ
■戦時統制経済と高度成長経済はつながっている
■「単なる談合なら無罪である」という地裁の判決
■「談合文化の否定」はアメリカからやってきた