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謹訳 源氏物語 私抄
キンヤクゲンジモノガタリシショウ
著者名 林 望

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ISBNコード 9784396614904
判型/頁 四六コデック/336頁
価格 1,870円(税込)
発売日 2014/04/25

第67回 毎日出版文化賞特別賞受賞
『謹訳 源氏物語』の著者が読み解く
その名文、その名場面、その面白さ!

紫式部は、なぜ光源氏の死を描かなかったのか?

「私抄(ししょう)」という言葉に込めた意味
『源氏物語』は、渺々(びょうびょう)たる大海原のごとく、蓁々(しんしん)と茂り合った大森林のごとく、その興趣はどこまでも尽きる所がない。
だから、ややもすれば「木を見て森を見ず」ということにもなりがちなのだが、大きく全体を俯瞰(ふかん)しながら、一歩退いてあなたざまにこの大文学を再考してみると、そこにさまざまの面白さが埋蔵されていることに気づくのである。ああも読んでみよう、こう切り取ってもみよう、そういう多様な視座からの読解と批判に耐えるという意味でも、この作品の汲めども尽きせぬ面白さは隔絶したものがある。
そこで、いま私なりの考え、どう読んだら面白いかという「ヒント」を纏(まと)めたものという意味で、これを「私抄」と題し、公刊することにしたのである。(「あとがき」より)

「死」の場面は女たちばかり──それはなぜ?
この物語をずっと通読してみると面白いことに気がつく。
それは、柏木を唯一の例外として、
「死」の場面が描かれるのは女たちばかりで、
男たちの死はほとんど全く描かれないことだ。
それは何故だろうか。─────(本文より)

『源氏物語』を味わう十三の視点とは
一  親子の物語としての源氏物語
二  葵上は冷たい女だったか?
三  色好みの魂
四  源氏は食えぬ男
五  明石の入道はどんな人?
六  垣間見(かいまみ)の視線
七  夫婦のありよう
八  この巧みな語り口
九  女親の視線の「うつくしさ」
十  奥深い名文の味わい
十一 源氏物語は「死」をいかに描いたか
十二 濡れ場の研究
十三 救済される紫上