外資系IT業界から
過疎の町へ乗り込んだ
“鉄ちゃん社長”の戦略と戦術
小さな会社の大きな実験は
なぜ成功したのか
レールは希望を乗せて走る
私は平成26年(2014)9月、若桜鉄道の社長に就任しました。社長を公募していることを知り、応募したのです。公募社長としての私に託された課題は、言うまでもなく経営の建て直しでした。
ところが沿線は少子高齢化と過疎化が進み、大きな観光地に恵まれているわけでもありません。これでは若桜鉄道の建て直し以前に、鉄道はおろか地域社会が消えてしまいかねない――そんな危機感に慄然としました。しかし、そこにはまだ希望が残されていたのです。19.2kmのレールは、人だけではなく希望を乗せて走るのです。(「はじめに」より)