OL恭子、敗者復活を賭けた
熱血! 町おこし。
ところが、そのキーマンが消えた!?
ベストセラー『感染』の著者が贈る失踪ミステリー
さびれた町の救世主は何と!?
何かが光ったような気がした。顔を近づけてみる。
そして、大きく息を呑んだ。
体長十五センチほどのそれは、見事な虹色をしていた。
輝きが強い。
形こそ平凡だがこんな色合いの魚を目にしたことはこれまでなかった。
恭子が運命のししゃもに出会った瞬間だった……。
一流商社をリストラされ北海道の故郷に帰ってきた川崎恭子。失意の彼女が目にしたのは、さびれた町の風景だった。若者は町を去り、シャッターを閉めた店ばかり。このままでは、町にも自分にも明るい未来はない。そんな恭子が地元の水産試験場で虹色に輝く不思議なししゃもと出会う。その味の素晴らしいこと。「虹色ししゃもで町おこしだ――!」恭子は売り込みに奮闘するが……。