これほどまでに心を揺さぶる“純愛”があっただろうか──
誰にも言えなかった
たった一度の恋。
遺された日記帳には、叔母の意外な青春が記されていた……
一体どれだけの人間が唯一無二の恋に出会えるだろうか。冬子さんのまっすぐで一途な恋。私には、その控えめな行動が、もどかしくさえあった。しかし、生涯変わらぬ想いを貫いた冬子さんに、最後には拍手を送ってしまった。「いつでも恋はしている」そう堂々と胸を張る冬子さんを羨ましく思った。仕事では泣かないと決めていたのに、この原稿を読んでいて、いつのまにか目に涙をにじませていた。
──担当編集者 K・N