誰にでもその人だけの歌(ストーリー)がある
恋人に、友達に、きっと伝えたくなる7つのやさしい物語
『東京バンドワゴン』の著者が描く珠玉の短編集!
ギターが泣いている。最初にそう言ったのは誰なのか今となってはわからない。
奴がチョーキングすると音が泣き出すんだ。
あなたのギターを聴いているとわけもなく涙が流れてきます。
雨の中を歩けば、誰にも知られずに泣くことができる。
お前のギターがまさにそれだ。
weeping in the rain.
俺の代名詞になった。
それなのに。
………………………(――「クラプトンの涙」より)