おいしいものは、誰かと分かちあえば、2倍おいしくなる。
父は出奔、そして祖母の下に母と、娘の私が残された――
ベストセラー『モルヒネ』の著者が描く、本物以上に家族らしい、女3人の物語。
安達千夏が描く、女3人家族の日常
板前だった父は錦糸町のパブで出会ったコロンビア人女性と出奔、彼女の子どもが待つ本国へと旅立った。そして母と祖母、私の3人がひとつ屋根の下に残された。祖母は血は繋がっていなくても、これからもこの家で女3人で暮らしていこうと提案した。それから7年。
旅に観劇にと趣味に忙しい悠々自適の祖母、フットマッサージ店のやり手経営者となった母、そして商社をやめ児童館の指導員として毎日を送る私。私には、IT系広告会社の社長ユウジというフィアンセがいる。