無頼(ぶらい)の御師が誘(いざな)う旅は、笑いあり涙あり、謎もあり――
いざ東海道を伊勢へ!
活気あふれる一行とゆく、
痛快時代ロードノベル誕生
『金春屋ゴメス』『善人長屋』の著者が贈る、
傑作時代長編
時代小説界の気鋭が描く、
騒動だらけの東海道の旅
弥五郎(やごろう)はお伊勢参りの案内役、「御師」の手代見習。そのくせ「御師は盗人(ぬすっと)」といってはばからない変わり者。ある日、弥五郎は日本橋の材木商・巽屋清兵衛(たつみやせいべえ)が賊に襲われているところを助ける。それが縁で、清兵衛のお伊勢参りに付き合う羽目に。旅の道連れは妙に婀娜(あだ)っぽいお妾(めかけ)さんや口やかましい下っ引きなど、たいそう賑やかな面々。道中の名物や景色もまた格別。だが、行く先々でなぜか清兵衛が狙われ、弥五郎自身にも伊勢を訪れたくない理由(わけ)があって……。