“その時”あなたは、生活を、家族を、絆を守れますか?
故郷で暮らす老母が雪かき中に骨折した──
突然介護を託された男の人生に、光は射すのか?
今そこにある危機を、真っ正面から見据えた問題作!
絶望のどん底を抜け出した先に見えるもの、
それが希望であることを願う──
「この苦難は、いつ誰の身に降りかかってもおかしくないことです。特に私のような年代になれば、むしろ起こりうることとして考えておかねばならなかったのです。あえてそれに目を瞑(つぶ)り、最悪の事態への備えを怠(おこた)ってきた。仕事を行う上では、あらゆるリスクを想定し、万全の方策を講じることを常に念頭に置いていたのに、最も身近な家庭内のリスクに注意を払わなかった。それは誰の責任でもありません。私の責任です──」