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黒い魎
クロイミズハ
著者名 岡崎大五
在庫なし

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ISBNコード 9784396633868
判型/頁 四六判/368頁
価格 1,870円(税込)
発売日 2012/05/14

惨状に乗じて金儲(もう)けを企(たくら)む男
悪魔から逃れようともがく若者
野心と良心の間で揺れるアナウンサー
家庭が崩壊し、ボランティアに身を投じるフリーター
未曽有の災害の地で交錯する清と濁

被災地の現実と、希望を描き出した見事な群像小説
被災者をも食い物にしようとする怪物的犯罪者や、大災害を足がかりにしてキャリアアップを図(はか)ろうとするマスコミ人がいる。その一方では中央に頼らない地域振興を進めてきた老人や、自分の歩む道を見出(みいだ)したボランティアもいる。未曽有(みぞう)の大災害に見舞われたカオスの地では、人の善意と同時に人の悪意もクローズアップされる。作者は犯罪がからんだ見事な群像小説を通して、被災地にある現実とこれからの希望を描き出した。
文芸評論家・西上心太(にしがみしんた)

母の借金を返すため、還付金詐欺の片棒を担ぐ日々を送る山岸保(やまぎしたもつ)。リーダーの加納薫堂(かのうくんどう)は、悪魔のように切れる頭脳と残忍さで、保たちを支配していた。そんなある日、東日本大震災が日本を襲う――。混乱の中、薫堂は被災地での金儲(もう)けを企(たくら)み、保の故郷・南三陸に乗り込む。薫堂の支配から逃れる術(すべ)はないと絶望していた保だが、被災地で懸命にボランティアを行う藤堂泉(とうどういずみ)と出会い、何とかして悪魔の所行を白日の下に晒(さら)そうと決意する……。未曽有の災害と被災地の現実を背景に、人間の清濁を鮮烈に抉(えぐ)り出した異色のサスペンス。