吉宗も獲(と)れなかったもう一つの「天下」
帳合米商(ちょうあいまいあきない)“百戦百勝の法”とは?
商品先物取引に夢を見出した、天才の若き日々
将軍・徳川吉宗に、唯一「予の意のままにならぬもの」と言わしめた米相場──帳合米商(商品先物取引)は、当たれば一粒の米も持たずに百万石を転がすことさえ可能になる一方で、失敗すれば破産の危機と隣り合わせだった。そして、この命がけの商いに“自由”と“希望”を見出した男がいた。酒田(さかた)の豪商「新潟屋」に生まれた本間伝次(ほんまでんじ)、後の宗久(そうきゅう)である。伝次が編み出した、百戦百勝の法とは? 本間家の勃興(ぼっこう)を支え、「出羽(でわ)の天狗」「相場の神」と呼ばれた天才の相場師の若き日々!