ココ・シャネルとエバ・ブラウン、そしてヒトラー…
“裏切り? わたしはただ女のために服を作ったのだ”
血のスーツが語る大戦の闇
極上の国際歴史サスペンス、ここに誕生!
パリ=ブルターニュ=ベルリンに追う 愛と平和の軌跡
金髪の女と東洋の少女が、足元のあたりに並んで立っている。
ついにその時が来たということだ。
でも、なぜあのふたりなのだろう。理由を考える余裕は、もはやない。
尊敬や賛嘆の言葉も、誹謗や中傷の言葉も、すでに意味をなくした。
「こうやって、人は死んでいくのね」
ココはつぶやいて、目を閉じた。マドモアゼル、しっかりして。
その声がココに届いたか、どうか。