時代小説ファンに感動と衝撃
浮き世のつらさを笑い飛ばせる時代小説!
欲は深いが情にはもろい
陽気な破戒僧の痛快人助け!
犬飼六岐はクセになる!
笑いあり、涙あり、チャンバラありの、本格痛快時代小説!
ぼろ袈裟(げさ)に身を包み、気まぐれに「泰平山末法院(たいへいざんまっぽういん)」の看板をあげて、向島小梅村(むこうじまこうめむら)の荒れ寺に住みついた破戒僧不覚(ふがく)。寝言まがいの念仏や祈祷(きとう)でひとさまの懐(ふところ)をうかがっている。ものぐさ、出不精、食い意地張りでおんな好き。しかし、情に仇(あだ)なす悪は許さない。六尺を超える巨躯(きょく)に岩の鎧(よろい)のような筋肉をまとう、宝蔵院流十文字槍(ほうぞういんりゅうじゅうもんじやり)の手練(てだ)れである。寺に出入りするかわら版売りの佐一(さいち)が、己の欲のために次々と事件を持ち込んでくる。その口車にのせられて事件に首を突っ込むうちに災厄(さいやく)がふりかかり……。