迫真の本格警察小説
偶然目にした一瞬の光景が、人を殺人鬼に変えた───
自殺と思われた女子短大生の水死事件。
だが、胸の刺青(いれずみ)文様が捜査を意外な方向に。
やがて明かされた衝撃の真実とは!
もう一度鑑定をやり直したほうがいい───
数年ぶりに別居する息子と二人で、荒川(あらかわ)沿いの酒蔵を訪れた赤羽(あかばね)中央署生活安全課の疋田努(ひきたつとむ)は、若い女性の水死体を発見した。遺体は女子大生とすぐに判明、スクリュー痕でかなり傷ついていたが入水(じゅすい)自殺と思われた。だが、遺体の胸に刻まれた謎の刺青(いれずみ)文様が気になった疋田は、独自に捜査を開始する。浮上したのは、短大生が手術を受けていた美容整形外科だった。張り込み中に院長が患者らしき女性と口論する姿も目撃されている。ここはいわくつきの病院なのか。ところが、院長に焦点を絞(しぼ)った矢先、今度は院長が失踪してしまい……。