相棒は青いスーツケースただ一つ。
今日も残りの半分に、温かいドラマが詰まってゆく――
人生は、一人旅。
明日はどこへ行こう?
心がふわっと軽くなる、幸せつなぐ物語。
大丈夫。
一歩踏み出せば、どこへだって行ける。
30歳を目前にした真美は、フリーマーケットで見つけた青いスーツケースに一目惚れ、衝動買いをしてしまう。そのとき、彼女の中で何かが変わった。心配性な夫の反対を押し切り、憧れのNYへ初めての一人旅を決意する。出発を直前にして、過去のある記憶が蘇り、不安に駆られる真美。しかし、鞄のポケットから見つけた「あなたの旅に、幸多かれ」というメッセージに背中を押され、真美はNYへ旅立った。やがてその鞄は友人たちへとバトンされ、世界中を旅するうちに、“幸運のスーツケース”と呼ばれるようになってゆく――。