引き裂かれたふたりの世界。
転落事故に遭い、姿を消した妹を探す健一
隔離された学園に囲われる少女、アヤコ
選ばれし、美しき子供が暮らす洋館での殺人事件。
この結末は、予測不能――!!
著者渾身の「実験的」長編ミステリー誕生。
健一は、絶縁状態だった父から異母妹の彩子が転落事故に遭い重傷を負ったことを告げられる。しかし、頑なに彩子の居場所を明かさない父。不審に思った健一は自ら妹を探し出すため、森の中の研究所を目指した。彩子が好きだったという推理小説を手に、健一が辿りついた施設の名は――『ハーフウェイ・ハウス』――そう呼ばれる学園で暮らす22人の子供たちは、館を囲むオベリスクより外へ出ることができない。アガサ・クリスティーの小説を愛読するアヤコは外界への抜け道を探していた。ある日、アヤコの兄を名乗る男が現れ、『ハウス』の秩序は崩れてゆく。やがて、学園内で教師3人が次々と殺される事件が発生。アヤコは推理を始めた。かの名探偵のように……
瞠目のラストは、あなたを永遠に解けない迷路に誘う。