剛腕の歴史小説旗手が放つ
川中島合戦!
義を貫いてこそ――
上杉謙信と武田信玄が鎬(しのぎ)を削る北信濃(しなの)の地で、
若武者須田満親(すだみつちか)が、才を磨き、戦塵(せんじん)を駆け抜ける!
徹底的な現地取材を基に描く新たな合戦像!
時は戦国、あまたの武将ひしめく北信濃(しなの)の地。甲斐(かい)の武田晴信(はるのぶ)(信玄(しんげん))は、今川(いまがわ)・北條(ほうじょう)と盟を結びつつ野望の眼を北に向けた。北信の盟主村上義清(むらかみよしきよ)に忠義を尽くす須田(すだ)家の後継満親(みつちか)と、従兄にして刎頸(ふんけい)の友でもある須田庶家の信正(のぶまさ)。川中島(かわなかじま)に所領を持つ二人の若者は悩み、葛藤(かっとう)する。道は二つ。裏切ってでも生き残りを策すべきか、滅(ほろ)ぼうとも義を貫くか。やがて武田の脅威に抗しきれなくなった時、満親は越後(えちご)の長尾景虎(ながおかげとら)(上杉謙信(うえすぎけんしん))に支援を請う使者に立った……。北信濃を巡って謙信の義と信玄の欲が火花を散らす中、流転を強(し)いられる須田一族の運命は――。