東京湾に浮かぶ天然ガス掘削プラットフォームが
狂気の戦場と化す――
スリリング・アクション警察小説。
狼のような女刑事vs.嗤(わら)う爆弾魔(ボマー)
閉ざされた鉄塊の要塞、姿なき敵、止まらぬ狂気
――――――容疑者は11名。
東京湾に浮かぶ新日本瓦斯(ガス)開発株式会社の天然ガス掘削プラットフォーム〈エレファント〉。大型台風が迫る夕刻、不審な転落事故が発生し、作業員一名が死亡。暴風域に入る前に単身、現着した警視庁捜査一課殺人班の入間祐希(イルマ)は、事故現場で爆発物の存在を嗅(か)ぎ取る。施設に残った社員11名に事情聴取を進めようとするが、国家のエネルギー政策を担(にな)うプロジェクトを円滑に継続させようとする企業側と衝突。嵐が吹き荒れる中、外部との通信がダウン、さらに作業服を着た不法入国者と思われる謎の男が札束を抱えて爆死した。薬物、拳銃、金――作業員たちの裏の顔が浮かび上がってきた時、ついに爆弾魔の狂気が暴走を始める……。