あっぱれと申すほかなし――
自ら作った薬で家臣団との絆を強めた徳川家康、
高貴な身分と偽(いつわ)った豊臣秀吉、
容姿を逆手にとった真田幸村……。
歴史に名を刻んだ七人の武将たちの
知られざる“初陣”とは?
出っ歯の透(す)きっ歯(ぱ)で極端な縮(ちぢ)れ毛(げ)――。上杉(うえすぎ)家当主・景勝(かげかつ)の前に現れた真田(さなだ)家の人質・弁丸(べんまる)(後の幸村(ゆきむら))は大変な醜男(ぶおとこ)であった。その上、美男の兄・源三郎(げんざぶろう)(後の信之(のぶゆき))では気に入らないだろうと言い放つ。景勝と跡目を争った義兄弟・三郎景虎(さぶろうかげとら)が美男で名高かったからだ。手討ちになるかと思いきや、その明るい人柄で気難しい景勝に気に入られる。秀吉の出陣命令にも、時勢を読んだ的確な助言をし、武将としての厚い信頼も得る。上杉家中での存在感を増していく中、弁丸は父の名代(みょうだい)として秀吉に謁見(えっけん)することになるが……。
真田幸村を描いた「ぶさいく弁丸」他、北条早雲、武田信玄、上杉謙信、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康ら、天下に名を轟(とどろ)かせた七武将の知られざる“初陣”を鮮やかに描く!