知人を訪ねただけなのに……
最悪の五日間の幕が開く!
遺体の第一発見者となりながら逃げ出した中年男。
その様子を目撃、男を脅迫し始める男子高校生。
だが、あったはずの遺体が消えて……
著者渾身の本格長編ミステリー!
鶴川佑作(つるかわゆうさく)は横須賀(よこすか)のマンションに住む、独身の五十四歳。借りた雑誌を返すため、同じ階の住人・串本(くしもと)を訪ねた。だが、インターフォンを押しても返事がなく、鍵(かぎ)もかかっていない。心配になり家に上がると、来客があった痕跡を残して串本が事切れていた。翌日いっぱいまで遺体が発見されては困る事情を抱える佑作は、通報もせずに逃げ出すが、その様子を佐々木紘人(ささきひろと)と名乗る高校生に撮影され、脅迫を受けることに。翌朝、考えを改め、通報する覚悟を決めた佑作が紘人とともに部屋を訪れると、今度は遺体が消えていた……